
歯を失うことは、食事や会話、見た目など、日常生活のあらゆる場面に影響を及ぼします。
「入れ歯は違和感があって食べにくい」「バネが目立って恥ずかしい」——そんなイメージをお持ちの方は、まだ多くいらっしゃいます。しかし、近年の入れ歯の造形技術は大きく向上しており、きちんとした診断のもとで適切な入れ歯を選べば、見た目と装着時の違和感は思っているよりもずっと少なく済みます。
入れ歯には、大きく分けて「総入れ歯」と「部分入れ歯」の2種類があります。さらに、保険適用のレジン床から、自由診療の金属床・ノンクラスプデンチャーまで、患者様のお口の状態やライフスタイルに合わせた選択肢が用意されています。
この記事では、神戸市中央区・元町で25年以上地域に根付いてきた三代歯科医院の院長として、入れ歯の種類ごとの特徴とメリット・デメリット、そして最適な入れ歯を選ぶためのポイントを詳しく解説します。
こんな方は一度ご相談ください
- 今の入れ歯に違和感があり、合い直しや作り直しを検討している方
- バネが目立つ・見た目が気になって入れ歯を躊躇している方
- レジン床・金属床・ノンクラスプデンチャーのどれが自分に向いているか知りたい方
確認だけでもOK・無理な治療提案はしません。
他院で作った入れ歯のご相談もお気軽にどうぞ。
お電話:078-331-3034
入れ歯とはどのような治療法か
入れ歯は、人工歯を人工樹脂で連結した装置です。
加齢や事故、虫歯・歯周病などで欠損した歯を補うための治療法の一つで、取り外しができる点が大きな特徴です。欠損した歯の本数や状態によって、適切な種類が異なります。歯のほとんどが失われた場合には「総入れ歯」を、歯が1本以上残っている場合には「部分入れ歯」を用います。

歯を失ったまま放置すると、残っている歯に過度な負担がかかり、さらなる歯の損失を招く可能性があります。また、頬の筋力が低下したり、顎骨が痩せてしまったりして、顔の形にも影響を及ぼすことがあります。咀嚼機能の低下は、食事の質や栄養バランスにも関わってきます。
歯を失ったと気づいたら、早めに歯科医院へご相談ください。
入れ歯へのネガティブなイメージについて
「入れ歯は合わない」「食べにくい」——こうしたお声をよく耳にします。
実は、装着時の違和感や食事・会話への影響といったトラブルの多くは、入れ歯が患者様のお口に合っていないために生じるものです。入れ歯を作った直後はぴったり合っていても、時間の経過とともにお口の形が変化し、合わなくなっていくこともあります。「他院で作った入れ歯が合わない」とお悩みの方も、ぜひ一度ご相談ください。
適切な診断と丁寧な調整があれば、入れ歯は快適に使えるものです。
インプラントと入れ歯の違い|それぞれのメリットを正しく知る
欠損歯治療の選択肢として、インプラントと入れ歯はよく比較されます。
比較される都合上、入れ歯は「劣るもの」として紹介されがちですが、実際には入れ歯にしかないメリットも多くあります。どちらか一方が絶対に優れているわけではなく、患者様の状態や希望に合わせて選ぶことが大切です。
比較項目インプラント入れ歯噛む力◎ 天然歯に近い△ 天然歯より劣る見た目◎ 天然歯に近い△〜〇 素材によっては天然歯に近くできる違和感◎ ほぼない△〜〇 適切な選択で違和感は減らせる寿命◎ 半永久的△ 7〜8年食事・会話への影響〇 ほぼない△ ややある他の歯への影響◎ ない△ 部分入れ歯の場合は周囲の歯に負担がかかる適応範囲△ 適応できないケースもある◎ ほとんどのケースに適応可能手術× 必要◎ 必要ない治療費× 保険適用できない◎ 保険適用可能なものもある治療期間△ 3か月〜1年程度◎ 短期間
入れ歯の大きな強みは、手術が不要であること、治療期間が短いこと、そして保険適用が可能な選択肢があることです。また、ほとんどのケースに適応できる柔軟性も魅力です。
「インプラントの治療費が溜まるまで入れ歯で代用する」「一部をインプラント、残りを部分入れ歯にする」といった使い分けも、十分に選択肢として考えられます。どちらか一方に決めなければならないわけではありません。
入れ歯の種類と特徴|3つのタイプを徹底比較
当院では、患者様のお口の状態とご要望に合わせて、3種類の入れ歯をご用意しています。
それぞれに異なる特徴があります。どれが「正解」かは患者様によって異なりますので、まずは各タイプの違いをしっかり理解することが大切です。
レジン床(保険適用)

最も広く使われている、スタンダードな入れ歯です。
義歯床をレジンと呼ばれる歯科用プラスチックで作った入れ歯で、プラスチック製なので修理が容易で、比較的短期間で作製・装着ができます。健康保険が適用されるため、治療費を大幅に抑えられるのが最大のメリットです。
メリット
- 保険適用可能なため治療費を抑えられる
- 修理がしやすい
- 短期間で治療が済む
デメリット
- 劣化しやすい
- 臭いやプラーク(歯垢)が付きやすい
- 熱が伝わりにくく、食事の温冷感が感じにくい
- 厚みがあるため違和感が出やすい
- 残った歯を傷つけやすい
「まずは費用を抑えて入れ歯を試してみたい」「治療期間を短くしたい」という方に向いています。
金属床(メタルプレート)

装着感と機能性を重視する方に選ばれる入れ歯です。
義歯床を金属で作った入れ歯で、強度があるため薄く作れます。そのため、装着時の違和感を大幅に少なくすることができます。また、熱伝導率がよいため、食事の温かさや冷たさがしっかり伝わり、食事の楽しみを妨げにくいのも大きな特徴です。
メリット
- 装着時の違和感が少ない
- 味覚を損ないにくい
- 耐久性がある
- 汚れが付きにくい
デメリット
- 保険適用不可
- 金属アレルギーの方は使えない(金属アレルギーを起こしにくい素材もあります)
「毎日の食事をもっと楽しみたい」「長く快適に使える入れ歯がほしい」という方に特におすすめです。
ノンクラスプデンチャー(部分入れ歯)

見た目の自然さを最優先したい方に選ばれる入れ歯です。
一般的な部分入れ歯には、残った歯に引っかける金属製のクラスプ(バネ)がついています。このバネが目立つのが欠点ですが、ノンクラスプデンチャーはそのバネの代わりに人工樹脂を使用し、見た目の違和感を軽減したものです。義歯床に柔らかい樹脂を使っているので装着時の違和感も少なく、金属アレルギーの心配もありません。
メリット
- 装着時の見た目が自然
- 装着時の違和感が少ない
- 金属アレルギーの心配がない
デメリット
- 保険適用不可
- 金属床に比べて強度・機能性が劣る
「人前で入れ歯だと気づかれたくない」「金属アレルギーがある」という方に向いています。
3種類の特徴一覧
種類強度見た目金属アレルギー安全性治療費レジン床△△△◎(保険適用)金属床◎△〇※△(自由診療)ノンクラスプデンチャー〇◎◎〇(自由診療)
※使用する素材によります
ここまで読まれた方へ
三代歯科医院では、患者様1人につき担当の歯科衛生士をお付けし、
型取りから装着後の調整まで一貫してサポートします。
「どのタイプが自分に合うか分からない」という段階からご相談いただけます。
「まず話だけ聞きたい」のご来院も歓迎しています
入れ歯治療の流れ|型取りから装着まで
入れ歯治療は、丁寧なステップを踏んで進めていきます。
STEP 1:問診
患者様のお口の状態をチェックし、入れ歯治療の計画を立てます。すでに入れ歯をお持ちの方は、現行の入れ歯の不具合や装着時の状態を確認します。どのような入れ歯が適切かを、患者様と一緒に検討します。
STEP 2:型取り(1〜2回)
正確な入れ歯をお作りするため、型取りは2回に分けて行います。
まずは「仮の型取り」を行ってトレーを作ります。次に、そのトレーを使って「本型取り」をします。この2段階の方法により、お口にぴったりフィットした精度の高い入れ歯を作ることができます。
STEP 3:噛み合わせの型取り
専用の装置を使って噛み合わせの型を取ります。噛み合わせの精度が入れ歯の使い心地を大きく左右するため、この工程は特に丁寧に行います。
STEP 4:見た目・噛み合わせの調整
義歯を並べて、見た目や噛み合わせに問題がないかチェック・調整をします。実際に装着したときのイメージを確認できる大切なステップです。
STEP 5:装着・微調整
歯並び等の確認を行い、問題がなければ入れ歯を完成させます。完成した入れ歯の装着後は、きちんとお口に馴染むように調整を行います。入れ歯は作って終わりではなく、装着後の微調整が快適な使用感につながります。
入れ歯を長持ちさせるためのメンテナンス
入れ歯は、定期的なメンテナンスが欠かせません。
作った直後はぴったり合っていても、時間の経過とともにお口の形は変化します。歯茎の状態や残っている歯の状態が変わることで、入れ歯が合わなくなっていくことがあります。合わない入れ歯を使い続けると、歯茎を傷つけたり、残っている歯に余計な負担をかけたりする原因になります。

当院では、患者様1人につき担当の歯科衛生士を決めており、メンテナンスが一貫して行われる体制を整えています。長年同じ患者様を診させていただく機会が多いため、お口の変化を継続的に把握し、長期的な観点を持った治療を心がけています。
入れ歯のお手入れは毎日の習慣が大切です。食後は入れ歯を外して流水で洗い、就寝時は入れ歯洗浄剤を使用することが一般的に推奨されています。細かいお手入れ方法については、担当の歯科衛生士にお気軽にご相談ください。
自分に最適な入れ歯を選ぶためのポイント
入れ歯選びに「絶対的な正解」はありません。
大切なのは、患者様自身のお口の状態・生活スタイル・ご予算・審美的なご要望を総合的に考慮することです。以下のポイントを参考に、担当医とよく相談して決めましょう。
ポイント1:治療費と保険適用の有無
費用を抑えたい場合は、保険適用のレジン床が選択肢になります。自由診療の金属床やノンクラスプデンチャーは費用がかかりますが、機能性や審美性で大きなメリットがあります。長期的なコストも含めて考えることが重要です。
ポイント2:見た目へのこだわり
人前に出ることが多い方や、入れ歯を目立たせたくない方には、ノンクラスプデンチャーが向いています。金属のバネが見えないため、装着していても自然な見た目を保てます。
ポイント3:装着感と機能性
「食事をもっと楽しみたい」「違和感を最小限にしたい」という方には、金属床がおすすめです。薄く作れるため異物感が少なく、熱伝導率がよいため食事の温冷をしっかり感じられます。
ポイント4:金属アレルギーの有無
金属アレルギーをお持ちの方は、レジン床またはノンクラスプデンチャーが適しています。金属床でも金属アレルギーを起こしにくい素材を選べる場合がありますので、事前に担当医にご相談ください。
ポイント5:インプラントとの組み合わせも検討する
入れ歯とインプラントは、どちらか一方を選ぶだけでなく、組み合わせて使うことも可能です。「一部をインプラントにして、残りを部分入れ歯にする」という方法も、十分に現実的な選択肢です。患者様の状態に合わせて、最適な組み合わせをご提案します。
まとめ|入れ歯選びは「自分に合ったもの」を見つけることが大切
入れ歯には、レジン床・金属床・ノンクラスプデンチャーという3つの選択肢があります。
それぞれに異なるメリット・デメリットがあり、どれが最適かは患者様のお口の状態やライフスタイル、ご予算によって異なります。「入れ歯は合わない」「違和感がある」というイメージは、適切な入れ歯を選び、きちんと調整することで大幅に改善できます。
神戸市中央区・元町の三代歯科医院では、25年以上にわたり地域の患者様のお口の健康を支えてきました。入れ歯治療に関するご不安やご質問は、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。
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初診は問診・口腔内の確認・ご希望のヒアリングが中心です。
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不具合の原因もその場で確認できます。
お電話:078-331-3034({診療時間})
関連情報
治療について:
入れ歯治療|三代歯科医院
著者情報
院長
三代 知史
(みしろ さとし)

略歴
- 昭和56年3月東京医科歯科大学歯学部 卒業
- 昭和56年4月大阪大学歯学部附属病院 第二補綴科医員
- 昭和60年4月大阪大学歯学部文部教官助手任官
- 昭和62年4月三代歯科医院 開業
所属学会
- 日本歯科補綴学会
- 日本臨床歯周病学会
- 日本顎咬合学会
- 日本歯科麻酔学会
- 日本歯科医療管理学会
主な役職
郡市区役員歴
- 令和元年7月中央区歯科医師会 会長
- 令和5年6月神戸市歯科医師会 副会長
兵歯役員・委員歴
- 平成23年4月理事(学術)
- 平成27年7月常務理事(財務)
- 令和元年7月副会長(医療保険、医療安全、医療管理)
- 令和3年7月監事
日歯役員歴
- 令和3年7月〜令和5年6月日本歯科医師会 常務理事
- 令和5年7月公益財団法人8020財団 常務理事
賞罰
- 平成21年11月兵庫県公衆衛生協会長表彰
- 令和元年2月日本公衆衛生協会長表彰
- 令和5年10月厚生労働大臣表彰
