コラム

歯周病治療の重要性について

2025.09.01
歯周病治療の重要性について

皆様は「歯周病」と聞いて、どのようなイメージをお持ちでしょうか?「歯ぐきが腫れる」「出血する」「歯がグラグラする」などの症状を思い浮かべる方も多いと思います。歯周病は、むし歯と並んで歯科疾患の二大原因の一つであり、特に40歳以上の日本人の約8割が何らかの歯周病にかかっていると言われるほど、非常に身近な病気です。

しかし、歯周病は「静かなる病気」とも呼ばれ、初期段階では自覚症状が乏しいため、知らず知らずのうちに進行してしまうことがあります。そして重症化すると、最終的には大切な歯を失ってしまう原因となります。

歯周病とは?

歯周病は、歯と歯ぐきの境目に付着する歯垢(プラーク)内の細菌が引き起こす感染症です。初期段階の「歯肉炎」では、歯ぐきが赤く腫れたり、歯磨きの際に出血する程度ですが、これを放置すると「歯周炎」へと進行し、歯を支えている骨(歯槽骨)が破壊されていきます。最終的には、歯が自然に抜け落ちてしまうこともあるのです。

全身疾患との関係

近年の研究では、歯周病が口腔内の問題にとどまらず、全身の健康にも影響を与えることが明らかになってきました。特に糖尿病との関連は深く、歯周病があることで血糖値のコントロールが難しくなることが知られています。また、心筋梗塞や脳卒中、早産、誤嚥性肺炎などとの関係も指摘されています。

つまり、歯周病の治療・予防は、単に「歯を守る」ためだけでなく、「健康寿命を延ばす」ためにも非常に重要な意味を持っているのです。

歯周病治療の流れ

当院では、歯周病の治療においてまず「正確な診断」と「患者様ごとのリスク評価」を行い、最適な治療計画をご提案します。

 

1. 歯周ポケットの検査とレントゲン撮影

歯周病の進行度を調べるため、歯と歯ぐきの間の深さ(歯周ポケット)や歯槽骨の状態をチェックします。

2. プラークと歯石の除去(スケーリング)

歯の表面や歯ぐきの下に付着した歯垢・歯石を取り除きます。

3. ルートプレーニング

歯の根の表面を滑らかにして、細菌の再付着を防ぎます。

4. 再評価とメインテナンス

治療効果を確認し、必要に応じて外科的処置を行うこともあります。その後は定期的なメインテナンスで健康な状態を維持します。

予防と継続がカギ

歯周病は、一度治療したとしても、ケアを怠れば再発することが多い病気です。そのため、治療後の「定期検診」と「正しいセルフケア」がとても大切です。当院では、患者様一人ひとりの生活習慣やお口の状態に合わせたブラッシング指導や、定期的なクリーニングを行っています。

最後に

歯周病治療の重要性について

「歯ぐきからの出血は年齢のせい」と考えて放置していませんか? 歯周病は年齢に関係なく発症し、進行します。早期発見・早期治療が何よりも重要です。気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。健康なお口は、健康な身体の第一歩です。

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