歯の根の中にある「根管(こんかん)」と呼ばれる細い管には、神経や血管が通っています。この部分に細菌が侵入し、感染や炎症が起きた際に行うのが「根管治療」です。むし歯が神経に達した場合や、過去に治療した歯の再感染時に必要となるこの治療は、歯を抜かずに残すための最後の砦とも言える非常に重要な処置です。
根管治療の目的とは?

根管治療の最大の目的は、「歯の内部の感染を完全に除去し、再発を防ぐこと」です。歯の根の中に細菌が残ったままでは、再び炎症が起こり、痛みや腫れを引き起こす原因となります。そのため、根管内を丁寧に洗浄・消毒し、細菌の侵入を防ぐ薬剤を詰める必要があります。
なぜ治療に時間と回数がかかるのか?
「短時間で終わらないのはなぜ?」という疑問を持たれる患者様もいらっしゃるかと思います。それには明確な理由があります。
まず、根管の形態は非常に複雑で、湾曲していたり、枝分かれしていたりと個人差が大きく、肉眼では確認が難しいことがほとんどです。三代歯科では、**マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)**を導入することで、肉眼では見えないレベルまで確認しながら精密な治療を行っています。
さらに、歯科用CTによって三次元的に根の構造を把握することで、より正確な診断と治療計画の立案が可能となります。しかし、その一方で、このような精密治療には時間と労力を要するのも事実です。
根管内の洗浄・消毒には複数回の通院が必要となることが多く、1回で終わることは稀です。無理に急いで処置を進めると、取り残した細菌が再感染の原因となり、結果的に抜歯へと進行してしまう恐れもあります。確実に治すためには、時間をかけて丁寧に進めることが最も重要なのです。
根管治療の成功が歯の寿命を左右する

根管治療が成功するかどうかで、その歯の寿命が大きく変わってきます。中途半端な治療では、後々再感染を起こし、せっかく残せたはずの歯を失うことにもなりかねません。
三代歯科では、CT・マイクロスコープといった高度医療機器を駆使しながら、**「見える治療」「精密な処置」**を徹底しています。患者様の大切な歯を1本でも多く残すため、時間と回数がかかる理由をご理解いただき、どうか安心して治療にご協力いただければと思います。