虫歯とは

虫歯は主に細菌の活動によって作られた酸が原因で歯が溶かされてしまう病気です。「歯が痛い」「しみる」などの症状が現れますが、初期段階では自覚症状がないこともあるため、気づいたころにはかなり虫歯が進行している、というケースも多く見られます。

初期の段階であれば自然に治癒することもありますが、進行した虫歯は自然には治りません。歯の異変に早く気づいて治療を受けることは大切ですが、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けて、虫歯を予防することも重要です。

根面カリエス

歯の表面にできると思われがちな虫歯ですが、歯の根元で発症することがあります。そうした虫歯を「根面カリエス」と呼びます。

進行が早く、通常の虫歯以上に気づきにくいため、いつの間にか感染・進行している、というケースも少なくありません。当院では衛生士による担当制でメンテナンスを行いますので、根面カリエスにも早い段階で気づき、適切な治療を行うことができます。

虫歯の進行度

虫歯は英語で「カリエス：caries」といい、虫歯の進行度はカリエスの頭文字からC0～C4の段階で表されます。さまざま症状があるため一概には言えませんが、基本的には数字が大きくなるほど虫歯が進んでいるとお考えください。

C0

虫歯の初期段階で、歯の表面の透明感が失われている状態です。自覚症状がないことがほとんどなので、定期健診で発見されることが多いです。この段階であれば、丁寧なブラッシングやフッ素塗布によって十分に治療することができます。

C1

歯の表面に黒色の着色や白色の斑点が見られるようになります。C0からやや進行した段階ですが、まだ初期段階で痛みもないことがほとんどです。C0同様、きちんとしたブラッシングで進行を止められるケースが多いです。

C2

虫歯が歯の内側まで進行した状態で、冷たいものが歯にしみるようになります。多くの方が虫歯を自覚するのがこの段階です。自然に治癒することはなく、放置するとさらに進行してしまうので、早めに歯科医院で治療を受けてください。

C3

歯の奥にある神経まで虫歯が達した状態で、冷たいものに加えて熱いものもしみるようになります。ズキズキとした痛みが生じ、ひどくなると日常生活に支障が出ることもあります。この段階まで進むと神経を取る治療が必要になることもあります。

C4

虫歯によって歯の上部はほとんど無くなり、残った歯の根に膿が溜まった状態です。歯を支えている顎の骨まで溶かされてしまうと、自然に歯が抜け落ちてしまいます。当院ではできるだけ天然歯を残す治療を心がけていますが、この段階まで進行すると治療が困難になるため、抜歯が必要となる可能性が高いです。

できるだけ天然歯を残すために

当院ではできるだけ天然歯を抜かずに済むような治療を心がけています。たとえば、高い抗菌作用のある「HY剤」という薬を使うことで、進行した虫歯でも神経を残したままでの治療が可能となります。

とはいえ天然歯を残す治療にも限界はあります。虫歯から歯を守るために大切なのは、虫歯を治療することよりも「虫歯にならないこと」です。お口の異常の有無にかかわらず、歯科医院での定期的なメンテナンスをお勧めします。